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相続税申告で税理士に依頼するメリット・デメリットや費用・流れを解説

相続税申告で税理士に依頼するメリット・デメリットや費用・流れを解説

 

相続税の申告は、多くの方にとって一生に一度あるかないかの経験であり、その手続きは複雑で専門的な知識が求められます。そのため、期限内に正確な申告を行うためには、適切な準備と対応が不可欠です。

 

そこで本記事では、相続税申告を税理士に依頼する場合のメリットとデメリット、費用相場、そして依頼の流れなどについて解説します。税理士への依頼を検討されている方はもちろん、ご自身での申告をお考えの方も、ぜひ参考にしてください。

 

相続税申告で税理士は必要?

相続税の申告は、法律上必ずしも税理士に依頼しなければならないわけではありません。相続財産の種類や評価が比較的単純で、ご自身で申告書類を作成・提出する方もいらっしゃいます。

 

しかしながら、相続財産の評価は多岐にわたり、不動産や非上場株式などは専門的な知識が不可欠です。また、特例や控除の適用判断も複雑な場合があります。税理士に依頼することで、それらの複雑な手続きを代行してもらえるだけでなく、税務上のリスクを軽減し、適正な納税に繋がる可能性が高まります。

 

特に、「相続財産の種類が多い」「評価が難しい財産が含まれる」「遺産分割協議が難航している」「過去に税務調査を受けた経験がある」といった場合には、税理士への依頼を検討するべきでしょう。

 

相続税申告で税理士に依頼するメリット・デメリット

相続税申告で税理士に依頼するメリット・デメリット

 

相続税申告を税理士に依頼することは、多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。

 

ここでは、主なメリット・デメリットを解説します。

 

メリット

①税務調査が入りにくい
税理士は、税務に関する専門知識と豊富な経験を有しています。税法の規定に則り、適正な財産評価と税額計算を行うため、税務署からの信頼性が高く、結果として税務調査の対象になりにくい傾向があります。税務署も、税理士が作成した申告書については、一定の信頼を置いていると言えるでしょう。

 

②税務調査になった場合も対応を任せられる
万が一、税務調査が行われることになった場合でも、税理士に依頼していれば、一切の対応を任せることができます。税務署からの問い合わせへの対応、必要な書類の準備、調査当日の立ち会いなど、ご自身で行うには時間と精神的な負担が大きいそれらの手続きを、代行してくれるため、安心して調査に臨むことができます。

 

③節税できるケースがある
税理士は、税法の専門家として、利用できる特例や控除を最大限に活用し、合法的な範囲内で節税のアドバイスを提供できます。相続財産の評価方法1つをとっても、専門的な知識がなければ見過ごしてしまう可能性のある節税ポイントが存在し、税理士に依頼することで、適切な節税対策を講じ納税額を抑えることができる場合があります。

 

④適切な申告ができる
複雑な相続税法を熟知している税理士に申告手続きを依頼することで、誤りのない正確な申告書を作成・提出できます。これにより、申告漏れや計算ミスによる追徴課税や加算税のリスクを回避し、安心して相続手続きを進めることができます。適切な申告は、将来的な税務上のトラブルを未然に防ぐことにつながります。

 

⑤費用対効果が高い
税理士への依頼には費用がかかりますが、上記のメリットを総合的に考えると、結果的に費用対効果が高いと言える場合が大半です。税務調査のリスクを軽減できること、節税によって納税額を抑えられる可能性があること、煩雑な手続きから解放されることなどを考慮すれば、支払う費用以上の価値を得られることも少なくありません。

 

デメリット

①金融資産のみだと費用が高くつく
相続財産が預貯金や有価証券などの金融資産のみで、評価が比較的容易な場合、税理士に依頼する費用が割高に感じられることがあります。ご自身で申告手続きを行っても、それほど手間がかからないと判断される場合には、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

 

②相続税に弱い税理士もいる
税理士にも得意分野があり、相続税を専門としていない税理士も多数存在します。相続税は、所得税や法人税といった他の税目に比べて専門性が高く、最新の税制改正にも精通している必要があります。相続税の申告を依頼する際には、相続税に関する知識や経験が豊富な税理士を選ぶことが重要です。

 

メリットの方が大きければ税理士に依頼

相続税申告を税理士に依頼するかどうかは、ご自身の状況や判断基準によって異なります。相続財産の種類や規模、ご自身の税務に関する知識、そしてかけられる費用などを総合的に考慮し、メリットとデメリットを比較検討することが重要です。

 

例えば、相続財産に不動産や非上場株式が含まれており評価が難しい場合や、遺産分割協議が複雑になっている場合には、税理士に依頼するメリットが大きいと言えるでしょう。また、ご自身で申告する時間や手間を省きたい、税務調査のリスクを少しでも減らしたいという方も、税理士への依頼を検討する価値があります。

 

最終的には、「安心・確実な申告」「税務調査への対応」「節税の可能性」といったメリットが、支払う費用を上回ると判断できるのであれば、税理士に依頼することが賢明な選択となるでしょう。

 

相続税申告で税理士に依頼する場合の費用相場・流れ

相続税申告で税理士に依頼する場合の費用相場・流れ

 

相続税申告を税理士に依頼する場合の費用は、相続財産の総額や種類、遺産分割の状況、税理士事務所によって異なります。

 

費用相場

一般的には、相続財産の総額に一定の割合をかけた金額が基本報酬となることが多いです。例えば、相続財産が5,000万円以下であれば50万円程度から、1億円であれば100万円程度から、といったように財産規模が大きくなるほど報酬額も高くなる傾向にあります。

 

また、不動産の評価、非上場株式の評価、税務調査の立ち会い、遺産分割協議書の作成など、別途料金が発生する業務もあります。事前に税理士に見積もりを依頼し、報酬体系や追加費用の有無についてしっかりと確認しておくことが大切です。

 

依頼する際の流れ

税理士に相続税申告を依頼する際の一般的な流れは以下のようになります。

 

①税理士の選定・相談
相続税に強い税理士を探し、初回相談を行います。この際に、相続財産の概要や相続人の状況などを伝え、見積もりやサービス内容について確認します。

 

②契約締結
提示された条件に納得できれば契約を締結します。

 

③必要書類の収集・提出
戸籍謄本、遺産分割協議書、不動産の登記簿謄本、預貯金通帳のコピーなど、相続税申告に必要な書類を収集し、税理士に提出します。すべておまかせプランであれば、書類収集などもまかせることが可能です。

 

④財産評価・税額計算
収集した書類に基づいて相続財産の評価を行い、相続税額を計算します。

 

⑤申告書の作成・確認
税理士が作成した相続税申告書の内容を確認し、署名します。

 

⑥申告書の提出・納税
作成した申告書を税務署に提出し、納税を行います。納税は原則として現金一括払いとなります。

 

⑦アフターフォロー
契約プランや税理士事務所によって異なりますが、申告後の税務署からの問い合わせなどもまかせることが可能です。

 

相続税申告で税理士に依頼する場合には

相続税申告は、専門的な知識と複雑な手続きが伴うため、税理士に依頼することは賢明な判断です。税理士に依頼することで、正確な申告、税務調査のリスク軽減、そして節税の可能性といった多くのメリットを期待できます。

 

もちろん、費用は発生しますが、得られる安心感や専門的なサポートを考慮すれば、決して高いものではないかもしれません。ご自身の状況をしっかりと把握し、メリットとデメリットを比較検討した上で、税理士への依頼を判断することが重要です。

 

もし、相続税申告についてお困りのことがございましたら、「ニース税理士法人」にご相談ください。相続税に関する豊富な知識と経験を持つ専門家が、お客様の状況を丁寧にヒアリングし、最適なサポートをいたします。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

 

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【文責】

高瀬明彦

ニース税理士法人 シニアマネジャー

明治大学商学部卒業

2004年10月 監査法人トーマツ系列会計事務所入社

2007年3月 ニース税理士法人入社

2007年8月 税理士登録(登録番号:108496)