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令和5年度版 確定申告の時に間違いやすい事例

確定申告の期限まであと1週間強国税庁では「所得税及び復興特別所得税の確定申告の際に誤りの多い事例」を公表しています。そこで今回は前回「令和5年分確定申告の注意点及び変更点」で取り上げたもの以外の事項について確認していきます。

-副収入の申告漏れ-

給与所得以外の副収入(インターネットによるネットオークションや動画配信等のサイドビジネス)で年間20万円を超える所得を得ている場合は確定申告をする必要があります。
今後、納税地の異動又は変更がある場合は、所得税又は消費税の申告書の住所欄に異動後や変更後の納税地を記載すれば良いこととなります。

また、暗号資産(いわゆる仮想通貨)については、売却した場合ではなく、他の仮想通貨に交換した場合又は商品等の決済に使用した場合に生じた所得についても合わせて申告する必要があります。(暗号資産に関する所得の計算方法等については、「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」をご覧下さい。)

-給与所得・雑所得の計算誤り-

令和2年分から給与所得控除額・公的年金等控除額 が一律10万円引き下げられ、控除上限額が変更されています。

また、令和2年分から23歳未満(16歳未満含む)の扶養親族がいるなど一定の場合に給与所得から所得金額調整控除額を差し引くことが出来ます。(詳しくは、タックスアンサー「所得金額調整控除」をご覧下さい。)

-一時所得の申告漏れ-

一時所得には年間50万円までの控除額がありますが、生命保険会社などから、満期金や一時金を受け取られた方は、その収入を一時所得として申告する必要がないか、生命保険会社などから送付された書類でもう一度ご確認下さい。

また、競馬等の公営ギャンブルの払戻金は、課税の対象となりますので、高額の払戻金があった場合には、申告が必要となる可能性がありますのでご注意下さい。

-国外所得の申告漏れ-

居住者(非永住者以外の者)は、国内で得た所得と合わせて海外で得た所得(例えば、国外の銀行口座で受取る預金等の利子、国外にある不動産の貸付・売却による収益、国外の法人等に対する出資に係る収益等)についても申告する必要があります(外国で既に申告した所得でも日本での申告が必要となります。)。

-医療費控除の計算誤り-

薬局で購入した日用品については、医療費控除の対象になりません。

また、高額療養費、高額介護合算療養費、出産育児一時金や生命保険会社・損害保険会社からの入院給付金などで医療費に補填される金額は、(その給付の目的となった医療費の金額を限度として)支払った医療費の額から差し引きます。

-ふるさと納税を行った場合の寄附金控除の適用漏れ-

確定申告を行う方は、自動的にふるさと納税ワンストップ特例の適用に関する申請が無効となってしまうため、ワンストップ特例の申請をした分も含めた全てのふるさと納税の金額で寄附金控除額の計算する必要があります。

-地震保険料控除の適用誤り-

地震等損害保険契約以外の保険料について地震保険料控除の適用はありません。(平成18年12月31日までに保険契約を締結し、平成19年1月1日以後契約の変更をしていないなど一定の場合の旧長期損害保険契約等については、地震保険料控除の適用があります。)対象ではないものが含まれていないか確認する必要があります。

-寡婦控除、ひとり親控除の適用漏れ-

寡婦かひとり親に該当する方は寡婦控除又はひとり親控除が受けられます。

ひとり親控除は、令和2年から適用できるようになった新しい控除ですので、適用漏れがないようご注意下さい。

-配偶者控除及び配偶者特別控除の適用誤り-

 合計所得金額が1000万円を超えている方は配偶者控除及び配偶者特別控除を受けることが出来ません。

また、配偶者控除を受ける方(配偶者の合計所得金額が48万円以下の方)は、配偶者特別控除を併せて受けることは出来ません。

合計所得金額が1000万円を超えている方で、配偶者が同一生計配偶者に該当する場合には、申告書第二表の「配偶者や親族に関する事項」欄に配偶者の氏名等必要事項を記載の上、「同一」の部分に〇を記入して下さい。

-基礎控除の記載漏れ・適用誤り-

合計所得金額が2,500万円を超えている方は、48万円の基礎控除は受けられません。

合計所得金額が2400万円以下の方は、48万円の基礎控除が受けられますので、必ず記入して下さい。

合計所得金額が2,400万円を超え2,500万円以下の方は、その合計所得金額に応じた基礎控除額を記入して下さい。

-住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用誤り-

入居した年及びその年の前2年または入居後3年以内に譲渡所得の課税の特例(3,000万円の特別控除など)を適用しているとき及び入居した年の翌年以後3年以内にその入居した住宅とその敷地以外の一定の資産の譲渡について譲渡所得の課税の特例(3,000万円の特別控除など)を適用しているときは、住宅借入金等特別控除を受けることは出来ません。

また、住宅取得等資金の贈与の特例を受けている場合には、住宅借入金等特別控除額の計算上、その特例により贈与を受けた金額を住宅の購入金額から差し引きます。

-復興特別所得税額の記載漏れ-

平成25年分から令和19年分まで、東日本大震災からの復興を図るための施策に必要な財源を確保するため、復興特別所得税(原則として各年分の所得税額の2.1%)を所得税と併せて申告・納付することとされています。

なお、還付申告の方も含め、申告される全ての方について「復興特別所得税」の欄の記載が必要となります。

-予定納税額の記載漏れ

税務署から「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の通知書」が送付されている場合は、確定申告において予定納税額(第1期分と第2期分の合計額)を記載する必要があります。

また、令和4年分の所得税等の確定申告において、予定納税額の通知書の「電子交付」を希望した方は、予定納税額の通知書を書面の送付に代えてe-Taxにより通知が来ていますので、e-Taxの「通知書等一覧」をご確認下さい。

金融機関の口座振替を利用している方は、口座振替の通帳等で確認出来ます。

現金等で納付された方は、領収済通知書で確認することが出来ます。

-まとめ-

今回は令和5年分の確定申告の時に間違いやすい事例について確認しました。
確定申告書の提出がまだの方は、提出前に最終チェックをしてみて下さい。
申告期限までに正しい申告をしましょう。